4月23日、UCI(国際自転車競技連合)はプレスリリースを出し、2013年ジャパンカップで発覚したマイケル・ロジャース(オーストラリア)のクレンブテロール陽性が、中国の汚染肉が原因である可能性が高いと発表。同選手の出場停止処分を解きました。しかしジャパンカップの優勝はUCIルールに沿って無効のままとなります。

2013年ジャパンカップで優勝し、その後の検査で尿サンプルから禁止薬物クレンブテロールの「違反が疑われる分析結果(AAF)」が検出されたロジャース(※)。12月18日以降、暫定的な出場停止状態に置かれていたが、晴れてレースに復帰出来ることとなりました。
※シクロワイアード記事「ロジャースがジャパンカップのドーピング検査でクレンブテロール陽性」(2013年12月19日)

プレスリリースの中でUCIは「ロジャース氏による説明と提出された報告書を慎重に分析した結果、日本渡航前にレース出場のため訪れた中国で汚染された食肉を摂取したことがクレンブテロール陽性に繋がった可能性が高いと判断した」と説明しています。つまり「ツアー・オブ・北京出場の際に摂取した汚染肉が原因である」と訴えていたロジャースの主張が受け入れられた形です。

WADA(世界アンチドーピング機構)との協議の結果、UCIはロジャースにこれ以上の処分を課さないことを決めました。つまり暫定的な出場停止処分が即時解除されます。なお、UCIルールに沿って、ジャパンカップ優勝は無効となります。

今回のUCIの発表を受け、ロジャースは自身のTwitterを介して声明を発表。その中で「ここまで4ヶ月間、家族と私は極めて困難な時間を過ごしてきた。UCIの判断は、即時レース復帰が可能であることを意味している。仕事に戻り、愛しているスポーツに再び打ち込めることを嬉しく思う」とコメントしています。ロジャースの名前はUCIのウェブサイト上でティンコフ・サクソのメンバーリストに残っており、同チームのメンバーとしてレースに復帰する見通しです。

UCIは、クレンブテロール陽性がWADAとUCIのルール違反に当たることに変わりはないとしながらも、特定の条件下でスポーツ選手から陽性反応が検出されている状況を考慮し、今後も同薬物を取り巻く環境について注視していくとしています。同時に、WADAが注意喚起を行なっている中国やメキシコでの食肉の摂取を控えるよう選手やチームに促しました。

ロードレースにおけるクレンブテロールの陽性は今回が初めてではなく、代表的なところでは2010年4月リー・フーユー(中国、当時レディオシャック)の、2010年9月アルベルト・コンタドール(スペイン、当時アスタナ)の尿サンプルからそれぞれ陽性反応が検出。両者ともに食品汚染が原因であると訴えましたが、最終的に2年間の出場停止処分を受けています。その後、フーユーは現役引退を決めています。

UCIは「状況を考慮してケースバイケースで対処していく」としています。