宇都宮ジャパンカップロードレースとは

宇都宮ジャパンカップロードレースは、日本で唯一、国際自転車競技連合(UCI)より、ワールドツアーに次ぐ“プロシリーズ”に認定された、アジア最高位のワンデイロードレースです。ツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアといった、世界の第一線で活躍するトップ選手たちの本気の走りを間近で観戦できます。

雨の中、宇都宮市森林公園をスタートしていく選手たち photo:Kei Tsuji

当大会は1990年に宇都宮市で開催された世界選手権自転車競技大会のメモリアルレースとして、1992年に創設されました。この大会にはこれまでに数々のスーパースターが参戦しています。ツール・ド・フランスでステージ優勝した選手や山岳賞獲得選手、ジロ・デ・イタリアの総合優勝者、ワールドカップシリーズ総合優勝者、世界チャンピオンと言った錚々たる選手たちが宇都宮ジャパンカップを彩ってきました。また、宇都宮ジャパンカップに参戦した後、そうした世界の頂点と言えるレースで栄冠を手にした選手達も少なくありません。

宇都宮ジャパンカップがこうしたスター選手達の参加を得られるのは、ロードレースシーズンの終盤であることや高低差が多く難しいコースであること、また熱狂的な日本のファンの皆様のおかげです。また、競技運営レベルの質の高さはUCIからも高い評価を得ています。1996年の第5回大会はワールドカップシリーズの最終戦にもなり、世界中から注目されました。

土曜はオープニングフリーランやアマチュア選手による一般レースが開催される photo:Makoto AYANO
女子レースも土曜開催 photo:Satoru Kato
選手達の体力を削る古賀志林道の上り photo:Kei Tsuji

日本全国から多くのロードレースファンが集まることでも有名な宇都宮ジャパンカップ。レース当日は、年に一度の「自転車の祭典」を楽しむロードレースファンの歓声や応援の笛の音が山中にこだまします。特に大勢のファンが集まる古賀志林道の山頂付近は、選手が通過するたびに興奮と熱気に包まれます。

第30回の節目となった2023年大会は、降雨のため周回数は当初予定の16周回から3週短縮して13周回。総距離133.9kmで競われました。ワールドチーム勢や多数の有名選手が積極的な走りを見せる中、世界選手権を2連覇(2020年、2021年)し、ロードレース界のスーパースターであるジュリアン・アラフィリップ選手が序盤からアタックを仕掛け、2回の山岳賞を獲得したほか、優勝争いは3人に絞られ、過去に世界選手権(2013年)を制覇したルイ・コスタ選手がラスト150mのストレートで仕掛け、宇都宮ジャパンカップを初制覇し、会場内は大いに盛り上がりました。

そして今年迎えるは、31回目の宇都宮ジャパンカップ。今年も、チャンピオンの座を巡り、再び世界のトップ選手たちが宇都宮に集います。

レース終盤まで生き残った選手たちの熾烈な駆け引きは、最後まで目が離せない photo:Yuichiro Hosoda