2023ジャパンカップサイクルロードレースとは

ジャパンカップサイクルロードレースは、日本で唯一、国際自転車競技連合(UCI)より、ワールドツアーに次ぐ“プロシリーズ”に認定された、アジア最高位のワンデイロードレースです。ツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアといった、世界の第一線で活躍するトップ選手たちの本気の勝負を間近で観戦できます。

宇都宮市森林公園をスタートしていく選手たち photo: Yuichiro Hosoda

当大会は1990年に宇都宮市で開催された世界選手権自転車競技大会のメモリアルレースとして、1992年に創設されました。それから四半世紀以上の歳月を経て開催する2023年の第30回記念大会は、2015年より採用された1周10.3kmのコースを16周する総距離164.8kmで争われます。前年大会より2周増え、標高差185mの古賀志林道を16回登ることになるため、選手たちにとっては難易度が上がりますが、観戦者にとっては選手達の走りを見る機会がより多くなります。

この大会にはこれまでに数々のスター選手が参戦しています。ツール・ド・フランスでステージ優勝した選手や山岳賞獲得選手、ジロ・デ・イタリアの総合優勝者、ワールドカップシリーズ総合優勝者、世界チャンピオンと言った錚々たるメンバーがジャパンカップを彩ってきました。また、ジャパンカップに参戦した後、そうした世界の頂点と言えるレースで栄冠を手にした選手達も少なくありません。

ジャパンカップがこうしたスター選手達の参加を得られるのは、ロードレースシーズンの終盤であることや高低差が多く難しいコースの評判と、熱狂的な日本のファンの皆様のおかげです。また、競技運営レベルの質の高さはUCIからも高い評価を得ています。1996年の第5回大会はワールドカップシリーズの最終戦にもなり、世界中から注目されました。

土曜はアマチュア選手たちが競い合う一般レースが開催される photo:Satoru Kato
女子レースも土曜開催 photo: Yuichiro Hosoda
古賀志林道の上りが選手たちの体力を徐々に奪っていく photo:Makoto AYANO

日本全国から多くのロードレースファンが集まることでも有名なジャパンカップ。レース当日は、年に一度のお祭り騒ぎを楽しむファンの歓声や応援の笛の音が山中にこだまします。特に大勢のファンが集まる古賀志林道の山頂付近は、選手が通過するたびに興奮に包まれます。

コロナ禍を経て3年ぶりの復活開催となった2022年大会は、ニールソン・パウレスがジャパンカップ初優勝。終盤にアタックをかけて独走体制を築くと、そのまま単独先頭でホームストレートに現れ、歓喜のガッツポーズを繰り返しながらフィニッシュラインを越えました。

そして今年迎えるは、30回目のジャパンカップ。大きな節目にチャンピオンの座を巡り、再び世界のトップ選手たちが宇都宮に集います。

レース終盤まで生き残った選手たちの熾烈な駆け引きは、最後まで目が離せない photo:Makoto AYANO