ジャパンカップのチームプレゼンテーション後半にステージに登場したのは海外籍のUCIワールドチームならびにUCIプロチーム、UCIコンチネンタルチーム勢。優勝候補がずらりと揃う海外チームの様子を紹介します。
例年にも増して豪華なメンバーが揃ったジャパンカップ。現在マレーシアでツール・ド・ランカウイが開催中であり、どちらにも出場中のコフィディスとロット・スーダルは、共にエース級メンバーをジャパンカップに揃えた。イスラエル・プレミアテックの参戦中止を感じさせないメンバーの登壇にオリオンスクエアは大いに盛り上がった。
トレンガヌ・ポリゴン・サイクリング・チーム
海外チーム登壇第一号は赤と黒のグラデーションジャージが印象的なトレンガヌ・ポリゴン・サイクリング・チーム。国際色豊かかつスプリンターを多く揃えてきた印象だが、シンガポール王者のゴー・チュンファンは日曜日もエースを担うはず。
リュブリャナ・グスト・サンティック
ツール・ド・フランスの前王者タデイ・ポガチャルを輩出したことでも知られるスロベニアの名門育成チーム、リュブリャナ・グスト・サンティック。クリテリウムのスロベニアチャンピオンであるマティツ・マチェックは「脚の具合も良いしベストを尽くしたい」とも。日曜日は21歳の若手クライマー、ディラン・ホプキンス(オーストラリア)で狙う構えだ。
チーム ノボ ノルディスク
全員がI型糖尿病患者であり、全世界の糖尿病患者に勇気を与えるという大切な使命を携えて戦うチーム ノボ ノルディスク。すっかりジャパンカップ常連組となったアメリカチームは「ベストメンバーでベストを尽くす」。2019年は16位が最高位だっただけにトップ10入りを目指せるか。
エウスカルテル・エウスカディ
コアなレースファンから大きな注目を集めているのが、ジャパンカップ初参戦のエウスカルテル・エウスカディ。かつてNIPPOに所属したフアンホセ・ロバトやルイス・マテといった戦績豊富なベテランを中心に若手をミックスしたメンバーで挑む。
MCのサッシャさんに「"マテ"は日本語で"待て"だよ」と教えられたマテは、「"(タイミングを)待て"からの"アタック"だよ」と切り返す場面も。クライマー豊富なメンバー構成だけに、森林公園でバスクの風が吹くだろうか?
ロット・スーダル
ワールドチームの先陣を切って登壇したのは、ロードレースでの優勝を狙うメンバーを揃えたロット・スーダルだ。かつてジャパンカップを3度走ったクルト・ファンデワウウェル監督率いるチームの最注目はやはりティム・ウェレンス(ベルギー)。「周回コースを初めて走ったけれど、とても美しく脚が試されるコース。自由に動けるメンバーが揃っている」と自信を覗かせた。
EFエデュケーション・イージーポスト
ラファ・コンドールのメンバーとして国内レースを走ったトム・サーザム監督率いるEFエデュケーション・イージーポスト。リゴベルト・ウラン(コロンビア)がコロナ陽性となったことを受けて普段デベロップメントチームに属する岡篤志を急遽招集したほか、門田祐輔もメンバー入り。2019年6位の成績をもつ中根英登も合わせ、合計3人の日本人選手を擁して戦うこととなる。
午前中の試走で古賀志林道のアタックポイントを確かめていたニールソン・ポーレス(アメリカ)は「もちろん自信はある。強い布陣で臨むし、3人の日本人選手の経験もあるからね」とコメント。中根は「久々のジャパンカップ、このチームの一員として帰ってくる事ができて嬉しく思います。オーダーはまだ分かりませんが、チーム一丸となって勝利をつかみたい」と話した。
コフィディス
一軍メンバーをずらり揃えたのがジャパンカップ初参戦のコフィディス。ヴィクトル・ラフェ(フランス)が不出場となったものの、ギヨーム・マルタン(フランス)の登坂アタックには期待したいところ。
五輪時に来日したものの、コロナ感染でホテル隔離を余儀なくされたシモン・ゲシュケ(ドイツ)は「あの時は過去6度の来日の中で一番残念だったけど、今回初めてのジャパンカップ。日曜日は可能な限り良いレースにしたい」と、たくさんのゲシュケファンの前でコメント。
バーレーン・ヴィクトリアス
この日最も大きな拍手が巻き起こったのが、全日本チャンピオン新城幸也率いるバーレーン・ヴィクトリアス。新城は「時差ぼけ真っ最中ですが、今回チームには逃げでも強い選手がいるし、登りに強い選手もいる。楽しみでしかありません」と笑顔を輝かせる。
指揮をとるフランコ・ペッリツォッティ監督は「日曜日は非常にハイレベルなレースだが、クライマーのハーマン(ペーンシュタイナー)やルーラーのユキヤなど強力なメンバーを揃えている。勝利という夢を叶えたい」と展望を語った。
トレック・セガフレード
最終登壇チームは、クリテリウム&ジャパンカップ本戦共に連覇がかかるトレック・セガフレード。クリテ連覇を目指すエドワード・トゥーンス(ベルギー)は「当然みんなが勝ちたがるレースだから勝利は難しいけれど、ここ数週間良い調子をキープできているので結果を出したい」とコメントする。
日曜日はもちろんジュリオ・チッコーネ(イタリア)に注目が集まるが、2018年2位のアントワン・トールク(オランダ)は今まで以上に絞れている様子。ピュアクライマーにはやや短い古賀志林道をどう攻略するか注目だ。
text:So Isobe
photo:Makoto AYANO, Kei Tsuji