31回目となる宇都宮ジャパンカップが、オリオンスクエアで開催されたチームプレゼンテーションで開幕。多くのファンの前に出場する全チームが集まった。まずは国内チームの模様からお伝えしよう。
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2024年の宇都宮ジャパンカップ・サイクルロードレースがいよいよ開幕。31回目を迎えた今年も、宇都宮市の中心街にあるオリオンスクエアでのチームプレゼンテーションからスタートした。この時を待ちわびた多くのファンが18時のスタート前から会場につめかけ、お目当てのチームや選手に声援を送った。
チームプレゼンテーションに先立ち、挨拶に立った宇都宮市の佐藤栄一市長は、今年から大会名は「宇都宮ジャパンカップ」と改められたことに触れ「ぜひ省略せずに『宇都宮ジャパンカップ』と呼んでいただきたい」と訴え、観客を沸かせた。
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クリテリウム・スペシャル・ライダーズ
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明日19日に行われる宇都宮ジャパンカップクリテリウムに出場するスペシャルチーム。パリ五輪代表の橋本英也、昨年まで宇都宮ブリッツェンで走っていた阿部嵩之と小坂光、元ロード選手で現在は競輪選手として活躍する近谷涼と一丸尚伍、直前に行われたツール・ド・九州で好調だった山本哲央ら6名で構成される。チームを率いるのは、元宇都宮ブリッツェン監督の清水裕輔監督。
日本ナショナルチーム
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日本ナショナルチームは、今年の全日本選手権個人タイムトライアルで優勝した金子宗平と、津田悠義、橋川丈らU23の選手で構成されるチーム。ジャパンカップは2022年以来2年ぶり出場の金子と、アマチュアレースを含め75レースも走ったという津田らが力を見せることが期待される。
ヴィクトワール広島
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昨年に続き2回目の出場となるヴィクトワール広島。宇都宮ブリッツェン初期メンバーだった中山卓士氏は、これが監督として最後のジャパンカップになると言う。メンバーは2022年に3位表彰台の経験を持つベンジャミン・ダイボールと、スプリントに強いレオネル・キンテロらを揃え、クリテリウムもロードも狙える布陣で臨む。
宇都宮ブリッツェン
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ホームチームの宇都宮ブリッツェンは、ジャパンカップのために作られたスペシャルジャージで出場する。9月にロードレース初優勝を挙げた沢田時は、ロードレースとシクロクロスで活躍するベルギーのワウト・ファンアールトを目指すと宣言すると、司会の栗村修さんは「MTBもやってる沢田選手はファンアールトを越えている」とも。
シマノレーシング
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2022年以来2年ぶり出場となるシマノレーシングは、直前に行われた「ツール・ド・九州」で、日本人最上位の総合6位となった入部正太朗を担ぎ上げて入場した。栃木県出身の石原悠希は、シマノレーシング加入後初のジャパンカップ出場。入部からマイクを渡されると、はにかみながらも意気込みを語った。
マトリックスパワータグ
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今年の全日本選手権で優勝した小林海を擁するマトリックスパワータグ。安原昌弘監督の逆さマイクでのスタートはお馴染みとなったが、今年はフランシスコ・マンセボ・ペレスまでもが…?報道陣のフォトセッションは安原監督のフォトセッションになり、最後はセルフィーと、終始安原監督のペースで進められた。
キナンレーシングチーム
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チーム最年長の畑中勇介が今シーズンで選手を引退することを発表。ジャパンカップには14回出場し、トップ10フィニッシュ5回、2010年には3位表彰台に登る偉業を達成している畑中の引退に会場は騒然となった。チームプレゼンテーションは急遽引退セレモニーとなり、サプライズで家族から花束が贈られた。これには畑中も涙ぐむ場面も。
JCL TEAM UKYO
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イタリアを拠点に活動するJCL TEAM UKYOは、ツール・ド・九州で個人総合7位の小石祐馬や、宇都宮にゆかりのある増田成幸、岡篤志らが出場。直前の畑中の引退発表を受けて、かつてライバルとして争ったこともある増田は「引退の花道を飾るためにも畑中が完走さえ出来ないような厳しいレースにしたい」と、冗談とも本気とも取れる意気込みを語った。
愛三工業レーシングチーム
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アジア最高峰のステージレース「ツール・ド・ランカウィ」に出場し、直前のツール・ド・九州では連日ベストジャパニーズライダー賞を受賞した愛三工業レーシングチーム。ツール・ド・九州で見せた岡本隼と草場啓吾のスプリントラインを明日のクリテリウムでも見せるか。岡本は昨年大会で最終盤の集団に日本人で唯一残って見せたが、今年はさらに上を期待したいところだ。
text&photo:Satoru Kato
photo:Kei Tsuji